「カントク」こと鈴木健二選手のエルズベルグ参戦記
Erzbergrodeo(エルズベルグロデオ)。 youtubeなどの動画サイト、SNSでタイムラインを流れるド派手なヒルクライムの動画など一度は見たことがあるのではないでしょうか。 コアなファンであれば、深夜に眠さに耐えながら、ライブを見る方もいらっしゃると思います。(眠気も吹き飛ぶようなシーンが次々と現れますが・・・!) オーストリアのErzberg鉱山で開催される、例年1500人以上のライダーが集結する地球上で最もタフなレースで、 とんでもない角度のヒルクライム、ツルツルに滑る林間セクション、全開で走る高速ストレート、コーナーなどバラエティに富むコースが特徴です。 そんなエルズベルグロデオに、「カントク」の愛称でおなじみ、鈴木健二選手が参戦されました。 今回参戦レポートと写真を頂きましたので、この貴重なレポートをオフロードフリークの皆さんと共有したく 鈴木健二選手のご快諾のもと、このコラムページに掲載させて頂きました。 鈴木健二選手について モトクロス国際A級、ヤマハファクトリーチームの監督を経て現在はエンデューロレースで活躍。 JNCCやJECといったレースで何度もタイトルをとり、近年はハードエンデューロにも参戦、トップ争いを繰り広げています。 2019 JEC 九州大会 恋の浦 2019 CGCハードエンデューロ選手権 奈良トライアルマウンテン 数年前からエルズベルグへの意欲を見せていたものの、2020,2021年はコロナ禍のために参戦できず。 今年ついに参戦されたカントクの、予選から決勝までのレポートをどうぞ! エルズベルグロデオ ここからは、頂いたレポートをほぼそのまま掲載させていただきます。 今回エルツベルグロディオに参戦させて頂きました。 <レース内容について> レースは、3日間で行われ初めの2日間は予選でタイムアタックで行われます。 コースは、ハイスピードと砂利のシケインのコースで砂利のセクションは石が多く私が走る番が500番だったのでかなり荒れており、サイドにある石がコース場に転がっておりなかなか大変なセクションです。 その他は逆にスピードセクションで横幅30メーターストレート5速全開で吹け切ってしまうストレートが続きます。 なかなかリスクの高いコースでした。 (画像は健二カントクより) <予選について> 予選通過は、今回1200台中500台が通過で好タイムから選びます。 1日目99位と決勝のスタート順が50台づつ並ぶのでかろうじて2列目に並べる順位でしたが、2日目の予選はタイムが伸びず結果101位と三列目になってしまいました。 100以内に2人プロロームというヒルクライム競争の中から2人予選通過になり結果103番スタートの三列目のスタートになってしまいました。 <決勝について> スタートについて 決勝は、エルツベルグの1番下のエリアからスタートします。 そこは水溜まりが多く参加者は水溜まりの少ない場所を選びがちでしたが私たちイン側のライダーの少ない場所を選び水溜まりがかなり有りましたが出れればかなり有利なのでその位置を選びました。 一列目がスタートしてコースカットが発生してしまい10分ほど遅れてのスタートになりました。 順番待ち私達の三列目のスタートの順番になりました。 ブラックを振るオーガナイザーがブラックを拾い上げるのが合図で全集中でタイミングがバッチリ合い1コーナー 2番手で周りその後その順位で走行しました。 難所と落石 第一難所で前の選手達がスタックしており、そこで順番待ちをしてると四方八方か割り込みが有りその加速では絶対上がれないスピードなのにやたら突っ込んで止まっていましたが、そのうちコース外のラインで上がるライダーが増え私もそのラインで上がりました。 そこから次にウッツ、ガレに入るのですがそのエリアがかなり長く息が上がり辛いエリアを抜けると次に柔らかい砂利の登が有りそこもスタックが多くまたコース外のラインから行き始め、かなり大渋滞が発生して上がれなかったので私もそのラインから上がりました。 そこはかなり長い登りで250ではパワーが足りなく辛い登りでしたがどうにか上がりきりチェックを受け下り始める時に私の前の選手が下りにかなり引いており、降り始めたので私もおり始めました。 するとかなり長い下りにかなりの激坂だったのですが私は問題無かったのですが前の選手が転倒しそんな所で止まれるわけなく私も転倒人間だけ滑り落ちて行きました。 そこから戻るのが急斜面と、こまかな砂利でなかなか上がれず草とかにつかまりながらやっとバイクに届きその斜面では乗る事も立つ事も出来ないので車両を引きずり下ろしてる最中に落石が有りヘルメット位の石がバウンドしながら落ちて来て私のヘルメットを直撃したそうです。 その際私は気を失い斜面を転がり落ち下で5分くらい動かなかったようでしたがレーススタッフが来た時には意識が戻りバイクを取りに行き走り出しましたが、軽い脳震盪やったのはわかったので落ち着くまで休み回復して来たので走り出しました。 走り始めると直ぐにリアブレーキが効かなくなり登りのウッツだったので少し走りましたが、やはり下りがあったら終わりなので持っていた工具でリアマスターからオイル漏れが分かりましたので六角で閉めましたが緩んでおらず、次にキャップを外しエアー抜きを試みましたがダメで、最後にリアキャリパーからオイルを抜きエアー抜きをしましたが治らず、取り敢えずウッツの中だったので難所の登りウッツを上がりきりそこでリタイア致しました。 <レースを終えて> 今回エルツベルグに参戦してこのレースは、KTMのレースで他メーカーは、あるな的なレースですが海外メーカーのトップの選手が集まりかなり攻めて走るし他メーカーの選手、スタッフも大会を盛り上げていく感じが見えました。 大会側も他メーカーのライダーを歓迎し記者会見やTVなどにも出演させ盛り上げてました。 その他選手達は、半分以上お祭りで参加しており、予選を走るのはそれだけで満足で夜中までパーティーしているそうです。 一般の方達はこの3日をフルに楽しんでいるレースでした。 私は、エンデューロを始めアメリカのGNCC.世界選抜ISDE.今回のエルツベルグロディオと参加いたしました。 GNCCは.参加型ですが各メーカートップライダーをサポートしトップは世界でも優秀なライダーがUSファクトリーとしてメーカーも契約してプロモーションに繋げるレースです。 ISDEは.世界各国から代表選手を国代表として4名送り出しその他選手は、クラブチームとして1チーム3名で組みレースに参加します。 ISDEは6日間1日250キロ以上走るレースですがその中にテストコースが一日6箇所以上テストがあり基本そのタイムで競い合うのですが、ルートが難所とマシントラブルで時間通りに走らないとペナルティーがつくのでかなり過酷なレースでした。 エルツベルグロディオは、 他のレースに比べ参加者はかなり緩いライダーが参加してますが、レースを真剣に取り組んでいるライダーは、1番走りに順応出来るスキルのある選手の固まりがハードエンデューロだと思いました。 この経験を今後のエンデューロ、オフロード普及に繋がるよう頑張っていきます。 今回は、エルツベルグロディオに参戦させて頂きありがとうございました。 以上、鈴木健二選手のレースレポートでした。 今回の参戦車両 各所にZETAパーツを取り入れたスペシャルマシンで参戦。 レバー回り ZETA ピボットパーチFP、レースグリップを使用。レースグリップはレバーと鑑賞する部分をカット。 エンデューロ/モトクロスシーンでよく見かける定番モディファイ。 [card_p : product_id=3315] [card_p : product_id=15996] ハンドル ハンドルはZETA SX3バーをセレクト。 [card_p : product_id=3301] ブレーキペダル ブレーキペダルはZETA トリガーブレーキペダルをセレクト。 [card_p : product_id=21389] ハンドガード ハンドガードは樹脂製のZETA アントラーハンドガードで、ハンドルのしなりを生かす。 [card_p : product_id=26822]
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