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馬場亮太選手のレース攻略~レースデイ編~

  • <レースDAYのサスペンションの話> 
  • <レースまで> 
  • <モトクロスのスタートゲート選びのポイント> 
  • 1、スタートゲートまでの轍 
  • 2、スタートゲート後の轍 
  • 3、最悪の場合の抜け道 
  • 補足として 
  • <レース前後に監督(保護者)としてやっていること> 

全日本エンデューロ選手権 シリーズチャンピオンを決めた馬場亮太選手による

コラム第2弾が届きました。前回のコラムはこちら
今回も目から鱗のお話をいただきました!お楽しみください!


前回のコラム記事は見ていただきましたか? 


今回も前回の続きでレースDAYの準備やレースが進行していく中で 

自分が気をつけていた点やレース慣れしていない方々に

何か参考になるようなお話をしていきたいと思います。 



<レースDAYのサスペンションの話> 


自分はレース当日サスペンションを大きくいじらないという話をしましたが、 

雨の時や自分の中で原因がしっかりしていて間違わない自信があるときだけ、

アジャスタをいじったり、フロントフォークの突き出し量を変えたり、

リアサスのスプリングにイニシャルをかけたりします。 

今までのモトクロスレースの経験で、自分がレースに出ている時は

KYB(ホンダとヤマハ時代)、SHOWA(スズキ時代)のレース担当の方々が

メンテナンスとセッティングをやってくれていました。 


雨で泥がとても重くバイクについてしまうコンディションでは、COMP側(圧側)を強めたり、

リアのスプリングを少し強める方向に回したりしていました。 

これは普段よりもバイクの車重が重くなり、サスペンションもやや入った状態で使うようになるからです。

普段よりも入る分、COMP側を強くして少しでも入りにくくする。 

フロントよりもリアサスにかかる重量の方が多く、リアだけ多く沈んでフロントが

チョッパー気味(フロントが高い)になるのを防ぐために、リアサスのスプリングを

締める方向に回す。と

リア周りの車高が上がり前後のバランスが取れる(泥が付着してきた時に)という感じです。 


できるだけシンプルな説明ですがなんとなくイメージが沸いたでしょうか??? 


Photo by 楠堂亜希 様

今IA1の町田選手のレースに帯同している限りでは、マディ時スプリングを締めてリアを持ち上げる

というのは、今のところは見ていないので選手によって大きくフィーリングが変わるのを

嫌ったり、別の方向で対策をしたりしているかもしれません。 


あとは勝手な僕の偏見ですが、戻り側をいじるとコースの中で

ここよくなるけどここはなんかな~という時が多いので

レースの時は安全志向であまりいじりません。 

こういった対策はモトクロスでもエンデューロでも変わらないです。 


Photo by 楠堂亜希 様

<レースまで> 


当日は大体受付や車検があり、起床は6時前後なことが多いのではないでしょうか? 

レースによっては練習走行の時間が早くて起床も早くないといけないことがあると思いますが、 

それが事前にわかっている場合は、せめて一週間前くらいからその時間くらいで起きるように

した方がいいです。 


全日本のIBクラスに出ている時は朝7時過ぎから練習走行ということが多かった覚えがあり、

5時半とかに起きてましたね、、 

僕はできるだけそうしていましたが、まあまあの確率で自分に負けて二度寝をしていました。笑 

当日に合わせて生活リズムを整えておくのは割と重要な気がします。 


朝ごはんはしっかり食べます。 

ご飯系の炭水化物が多いです。体がエネルギー切れにならないようにバナナなども食べます。 

そして絶対に水分を枯渇させないようにするのでトイレはめちゃくちゃ近いです。 

レースの時は集合時間ギリギリに一度トイレに行ってから集合に行きますが、

そこから実際にレーススタートするまでの10分くらいで

またトイレに行きたくなるくらい近いです。笑 

スタート裏の仮設トイレに行くと中に人が入っていて待っていると

結構な確率で同じ人が出てくるんですが、

富田俊樹選手がめちゃくちゃ多かった印象です。笑 

多分同じように水分は多めに取って体調管理をしているんだと思います。 



<モトクロスのスタートゲート選びのポイント> 


大きく分けて3つです。 

1、スタートゲートまでの轍 

 できるだけ真っ直ぐでリアタイヤ付近に石などが埋まっていない 

 もしリアタイヤ付近の地面が高いところがあるなら低いところよりは高いところ 

 土を盛れるところはいいですが下が硬くて土が盛れないところは、

 轍とゲートの段差もできるだけ小さいところがいいです。 



2、スタートゲート後の轍 

 まっすぐ。 

 蛇みたいな形になっていない 

 雨などの場合にゲートから少しいったところの泥が深くない、など 



3、最悪の場合の抜け道 

 もしスタートが出られなかった時1コーナー後に前にいやすいところはどこか? 


補足として 


1、のリアタイヤ付近の地面の高さは 

スタートゲートに向かって下り坂になっているところを選びましょう 

ということです。 


僕はもしかしたら結構重要ポイントとしてこれを見ますが、

意外とみなさんは見ないポイントではないでしょうか? 

それか下り坂になっていなくても土などでリアタイヤ付近を高くできるのであれば 

それでいいでしょう。よくスタート前に踏み踏みして轍を綺麗にすると思いますが

その時に、 ということです。 


ゲート前までの区間で少しでも初速をつけることができれば

ゲートに当たった時のバイクの挙動も上に、ではなく前に、

進むようになりますので、気にしたことなかった方は気にしてみてください。 


3、の最悪の場合の抜け道は 

もしスタートが出られなかった場合に1コーナーはどこを回ればその次のコーナーで前にいられるかな? 

というのを自分のレースの前のレースのスタートなどをみてなんとなく掴んでおくといいと思います。 


Photo by 楠堂亜希 様

スタートでられなかった時なんてネガティブなこと考えたくない 

と思いますが大事ですよねぇ~~。。。 



<レース前後に監督(保護者)としてやっていること> 


昨年から全日本モトクロス選手権のIA1クラス、町田アサト選手の保護者(一応監督)をしていますが、 

選手として走っていた経験があるからこそできる立ち回り?はバイクを乗っていなかった親御さん

方には参考になることもあるかもしれません。 


選手として、ではなく保護者として心がけていることを二つ紹介します。 

1、当日選手にできるだけストレスをかけない。(かけていたらごめん笑) 

2、細かい技術的なアドバイスなどをたくさんしない。 


どちらにも共通して言えることは、 

レース上にきたらそれまでの練習の成果を出し切るだけなのでぐちぐちアドバイスをしてもあまり意味がないんじゃないか 

と思っているからです。 


ストレスをかけないというのは選手の意見を完全に否定しないようにしたり、

選手のやりたいように行動させる?感じです。 

スタート位置こっちの方がいいんじゃない?という話もしますが、

本人なりのイメージなどもあると思うので強要せずに最後は本人の選びたいようにやらせてあげる。。

例を挙げるとこんな感じですがなんとなくわかりますか? 

あとはピリピリしているレースモードのライダーにイライラさせる要素も作らないようにはしています。 


もう一つのアドバイスをたくさんしない に関しては

本人の性格なども分かった上での話なのでとても難しいところです。 

細かい技術的なアドバイスなんて、その場で、 

しかもレースで周りにたくさんのライダーがいる中では絶対に修正できないので細かいのはしません。 

普段もすごい意識して練習していることなどは、 

あれも忘れるなよという感じで言いますが 

普段練習していなくてアドバイスしたらレースでできる。なんてことあるわけないですもんね、、 


レースの日で大事なことは物怖じせずとにかく思い切りの良い走り、

元気のいい走りをすることだと思います。 なのでこれらを踏まえた名監督RBのレースの日のアドバイスは 

あのジャンプ全開で行って思い切り抜け(スクラブしろ) 

です、ほぼこれです。 


Photo by 楠堂亜希 様

名将っぷりが溢れ出ているアドバイスですね。 

冗談みたいに思えるかもしれないですけどレース中の勢いとリズムってほんと大事ですからね笑 

このおかげで????今年の町田選手は去年からも大幅にベストリザルトを更新して 

SUGOではIA1クラス5位を獲得しています。 


Photo by 楠堂亜希 様

今回の記事はレースにフォーカスし踏み込んだ内容になりましたが 

参考になるところはありましたか? 

なんとなーく自分に置き換えてみて、盗めるところだけ盗んでいってください。 

わからなかったら僕に直接聞きにきてくださいね。。 


次回はライテクっぽいことを書きたいと思っていますが 

気分で変わりますので、また覗きにきてください。

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